メインフェイズ 第3サイクル
マスターシーン 雨に降られて
GM:さて、ハリーのシーンですが……エリオットが『猿の手』持ってるしなー。『猿の手』の【秘密】渡してくれたりしません?
エリオット:しません(笑顔)
GM:じゃあエリオットから聞き出す体で、『猿の手』の調査判定をしましょうか。シーンは(コロコロ)……“鈍色に曇った空から水滴が降り出す。雨が止むまで待つべきだろうか?”。ふむ……全員登場で、ウィンザー家に集合してみるのはどうですかね?
アリス:いいですよ。
エリオット:承知。
シャロン:じゃあスコップ片手にハリーとエリオット達と合流する感じにするか。
GM:では、雨に降られながらエリオットとアリスがウィンザー家に戻ると、既にシャロンとハリーがいる。応接間で話をしますか。
アリス:では、外套を……着てたことにして、外套を脱ごう
GM:メイドが外套を回収してくれます。どこかで乾かしてくれるでしょう。暖炉にも火を入れておこう。すぐに部屋は暖かくなるでしょうが、一同の間には目に見えない緊張感。ぎこちなさが部屋に漂います。
シャロン:エリオットにタオルを渡そう。アリスにはメイドが渡してくれると思う。
エリオット:「ありがとうございます、姉さん……お2人とも何事もなかったようで。心配しましたよ」
GM(ハリー):「すまない、2人とも。取り乱してしまって……あんなことを」
アリス:「いえ、あのような事態になれば動揺するのは当然です。お気になさらずに」
シャロン:「結果よければすべて良しですわ!」 と、ここでエリオットに近寄って「ところでエリオット、アリスとはどうでしたの?」と耳打ち。
エリオット:「はっ? 何のお話でしょう」 心持ち、口調が固い。
シャロン:ではそれ以上追求はしない。せっかく2人きりだったのに。
アリス:色っぽい雰囲気ではなかっただろ!
GM:ところで『猿の手』ありましたって、ハリーに言ってくれません?
エリオット:言ってあげない。
アリス:GMフレンドリーじゃない。
GM:言ってよー。
エリオット:あなたからは血のにおいがする
GM:言いがかりだろう!
アリス:私はハロルド氏の【秘密】を知らないから、判断しにくいなぁ。
GM:ああ、そうだ。アリスもハリーの【秘密】が欲しければエリオットかシャロンに聞いていいですよ。ドラマシーンなので受け渡しは可能です。
アリス:欲しいなー。
GM:あげます?
シャロン:じゃあ、真面目な顔に戻って「ハリー、状況を整理したいのだけど、あなたのことを伝えてもいいかしら?」とハリーに問う。
GM:ハリーはこくりと頷きます。
シャロン:では共有します。
GM:ハリーの【秘密】は全体公開になりますね。
ハロルド・ホールズ
【秘密】あなたは2年間の記憶がまったくない。自分がなぜ今ここにいるのかもわからない。あの時たしかに、あなたは死んだはずなのに。
あなたは自分が条理を越えた冒涜的な力によって生かされていると感じている。
第1サイクルの終了時、あなたには2枚目のハンドアウトが渡される。
《死》で恐怖判定を行うこと。
ショック:なし
アリス:2枚目を知らないとダメかー。どうするかなぁ。
シャロン:あ、それで、ハリーが調査判定するのは確定だよね?
GM:そうですね、『猿の手』の【秘密】が欲しいので。
シャロン:じゃあ状況整理の一巻として『猿の手』の情報も出します。
GM:マジで、くれちゃうの? ……ああ、シャロンが喋った体で情報出すよってことですかね。
シャロン:そうですそうです。状況整理の一巻として出ている話題から拾って、ハリーが理解するのに判定を要求します。
GM:じゃあ《手触り》でいきますか。『猿の手』の【秘密】に触れるということで(コロコロ)……6で成功。
エリオット:チッ。
GM:で、恐怖判定もします(コロコロ)……7で成功。では、ハリーは「『猿の手』は、父の棺に納められているんだそうだ。母がそう言っていた……」と呟く……そこの2人、目をそらすな!
アリス:そらしてないよ! 黙ってるだけだよ!
エリオット:……。
シャロン:「物騒な代物ですわ。 どうにかしてこの世から葬り去りたい所ですけれど……」 こんな世界滅んでしまえって言われたら滅ぶんだよね、多分。
GM:どうかなぁ、代償次第ですね。
アリス:まぁ、結果はGMが決めるからね。
GM:これはゾーキングですけど、ほとんど悪魔と取引するようなもんだと思っていいですよ。
アリス:GM=悪魔。
GM:GMは悪魔ではない。
エリオット:悪魔を飼ってるだけだよな。
GM:さて、情報を聞いたハリーは「代償が、足りなければ……」と言うと(コロコロ)……エリオットか……。
エリオット:え、なんすか。
GM:(コロコロ)……7。反応表ですね。ゲストのシーンだとランダムで指定します。
7:ハロルドの身体に触れた時、異様な感触を覚えて思わず手を引っ込める。シーンプレイヤーは《手触り》で恐怖判定を行う。
エリオット:なにそのゲリラ的恐怖攻撃……て、《手触り》ぃ?
アリス:まぁ、『猿の手』持ってるのエリオット様だしね。
GM:なんか慰めようとかして肩に手を置いたりしてくださいよ。
エリオット:とりあえず判定しよう。それから考えます。
シャロン:あ、感情修正いる?
エリオット:……くれると嬉しい。
シャロン:では【紳士淑女】の効果で感情修正は+2です。コストは【生命力】で。
エリオット:ありがとう姉さん。《分解》から(コロコロ)……出目7に+2して9、ぴったり成功。あぶねぇ。本当にありがとう姉さん。姉さんが姉さんで良かった。
アリス:超感謝してる。
GM:おかしいな……。
エリオット:「……今日は色々なことがありすぎました。姉さんもハロルドさんも、今はとても冷静になりきれているとはいえません。特にハロルドさんは、目の隈が目立ちます。少しお休みになったほうが」 言いつつ肩を触る。
GM:エリオットが触るとぐにゃって感じで異様な感触が返ってきますよ。
エリオット:「……!!」
シャロン:「どうしたの? エリオット?」 すっと近寄りますよ。
GM(ハリー):「エリオットくんは冷静だな。……どうした?」
エリオット:「いえ……」
アリス:私はじっとしていよう。
エリオット:「その……お体、冷え切ってますよ。暖炉に、当たってください……」
GM(ハリー):「ああ、そうするよ」 雨がしとしとと降り続け、冷たい夜気が忍び寄ろうとしていた。……シーンを切ります。
3-1 シャロン 死臭
GM:次は誰かな。
エリオット:やりたいシーンはあるけど、そのシーンがゲーム的に意味のある判定にどう結びつけたもんかなぁ。
アリス:私はいいや。
シャロン:じゃあ、動くって宣言しよう。ハリーの2つ目の【秘密】を開けてくる。
GM:じゃあシャロンからでいいかな?
エリオット:はい。
GM:それでは、シャロンのシーンで。シーン表は振りますか。シーン表振りますか?
シャロン:いえす(コロコロ)……“少し疲れてしまったようだ。落ち着ける場所でひと息つきたい”……またか。
GM:疲れすぎ。
エリオット:疲れた現代社会人(ヴィクトリア)
シャロン:まず【ダウジング】と調査判定を済ませますか(コロコロ)……3。失敗。成功率悪いなぁ。
GM:おやおや。
シャロン:【ダウジング】が成功しないと私、真面目になっちゃうんだけど……。
GM:何かそういうお告げだよ。ダイスが言っている。
シャロン:お告げか……。とにかく判定を……無難に《におい》で判定しよう(コロコロ)……7で成功。
GM:登場するのは誰でしょうか。
シャロン:とりあえず秘密ください。そっから考えます。あ、私が開けた時点でエリオットにも感情による情報共有が起きるね。
GM:では、『ハロルド・ホールズ※2』の【秘密】を……こんな感じです。シャロンは恐怖判定どうぞ。
シャロン:《数学》で(コロコロ)……7失敗です。
エリオット:姉さんが【狂気】を充填していく。
シャロン:ま、大丈夫よ。さて、【秘密】の方はなんとなくわかってたけど、はてさてどうするか……そうだな、具合が悪そうなハリーを気遣って、部屋に案内する感じにしようか。とりあえず今日はウィンザー家で預かる形で。
GM:じゃあ、ハリーは高熱でも出したことにして、ウィンザー家で世話になっておきます。
シャロン:あのままナンシーさんの所に戻したらそれはそれで混乱を招きそうだしね。
アリス:そういや、こいつの家は今どうなってんでしょうね。
GM:そりゃもう。しっちゃかめっちゃかですよ。遺産相続とかマジわけわからんことになりそう。
シャロン:死んでたはずの息子が生き返ったってのがひどいわな。
GM:しかも20歳だから継承可能年齢に到達してるとか完全に遺産狙いのなりすまし。
エリオット:あからさまに本人なのだ……。
GM:その通り、今ベットで寝込んでいる男はハロルド・ホールズその人です。
シャロン:「……大丈夫? 状況が状況だから、何が起きるかわからないわ。無理はしないで頂戴」 口では言いながらも、声音は気遣う感じでハリーを甲斐甲斐しく看病しますよ。
GM:反応表を(コロコロ)……6、は既に出たので不発です。
シャロン:これが愛の力だ。
GM:ハリーはベッドに沈み込み、黙っています。《におい》で判定した演出はどうしますかね。
アリス:死臭?
シャロン:ぐにゃぁからの、死臭?
GM:そうしますか。
シャロン:じゃあ服を脱がす感じにしようか。外行きの衣服では寝づらいだろう。割と手馴れた感じですいすいっと、脱がしますよ、上着とか。
GM:サービスシーンきたな……。
アリス:いらねぇよ!
GM:部屋を出たら、実は死臭が漂っていたのだって気づくとか、どうですかね。
シャロン:ああ、ホラー感あっていいですね。では何事も無く、衣服を脱がし、部屋の暖房器具の調子を見たりします。
GM:熱に浮かされた様子でなされるがままです。エリオットくんが薬とか処方してくれたんじゃないかな、多分。
エリオット:仲良くしてくれてる顔がツギハギのお医者さんにもらいました。
アリス:ブラックなやつじゃねぇか。
シャロン:「何かあったら呼んで頂戴ね。 それではお休み。ハリー」 そういって額にキスをして、部屋を去る。そしてドアを開け……外の冷たい空気を吸って気が付く。部屋の中と、外で匂いが違うのだと。
シャロン:「あ、あぁ、……代償が足りないって……嘘よ。 私にこれ以上不幸な事が起こる訳ないわ」
GM:しかし真実は残酷なのだ。
シャロン:「きっと、何か解決策があるはず」 気が付いてしまった彼女はうわごとのように呟き自身のアトリエへと向かっていく
GM:では、ここでハンドアウトがポップアップします。
最後の願い
【概要】このハンドアウトの【秘密】には、シナリオで想定される「最後の願い」の内容が書かれている。ただし、それがたったひとつの冴えたやり方であるわけではない。
このハンドアウトの【秘密】はゾーキングによって内容を言い当てた場合にも公開される。
シャロン:おし、私のシーンは終わりだね。
アリス:しかし、どうすっかなぁ。
エリオット:本当どうしよう……。
アリス:ハロルドを復活させるとしても、生贄をどうするかってことよね……相談タイムが欲しいな!
GM:とりあえずシーンエンドとしましょう。
3-2 アリス 冴えたやり方
アリス:あと開いてない【秘密】は、PCのと『最後の願い』ですかね?
GM:そうなりますね。
エリオット:うーむ……。
シャロン:『最後の願い』はとりあえず誰か開けて欲しいな。
アリス:じゃあ私が開けよう。
GM:じゃあアリスのシーンでいいかな?
エリオット:お願いします。
GM:それではアリスのシーンです。
アリス:せっかく(【幸運】を取ったのに活かせないのも嫌)だからな! じゃあ、『最後の願い』を開けるー。シーンに出たい人います?
シャロン:あ、じゃあ私出たい。アリスにさっきの出来事を話して、相談したいのと情報共有。
アリス:エリオット様もいてくれると、情報共有がすぐできていいんですが、どうですかね。
エリオット:じゃあ、います。
アリス:じゃ、PCだけで集まりましょう。とりあえず、調査判定をしてからシーンを作ります。まずはシーン表を(コロコロ)……“行きつけのパブ(カフェ)。誰かがあなたのことを待っているかも”か。
GM:たぶんこの探偵、階下のおばさんに怒られて事務所に居づらいんだぜ。
エリオット:事務所移転しろよ。
アリス:安いんだよ、あそこ。判定は《民俗学》で振ります。好奇心で他にそれっぽいのないし。
シャロン:あっ、さっき渡した「お守り」を返しておいて。いざとなったら振り直せるし。
アリス:ああ、そうね。じゃあ、返しておきます。それでは判定を(コロコロ)……4、ほらね。
GM:振り直しします?
アリス:私は【生命力】を削って振り直す!。というか、【幸運】発動しろよ!(コロコロ)……11! したー!
シャロン:した。
エリオット:すげえ。
アリス:【生命力】を1点回復させる!
GM:しかし【幸運】関係ない!
シャロン:【幸運】なかったら【生命力】が削れていた!
アリス:うむ。意味はあった……! 意味はあったのだ!
シャロン:【地位】があればそもそも成功したとか言ってはいけない。
アリス:うるせぇ! とりあえず、【秘密】ください。
GM:これが『最後の願い』の【秘密】です。
アリス:(【秘密】を見る)……うーあー……2人に渡します。
最後の願い
【秘密】ハロルドの命を代償にして、ハロルドの死や消滅を願えば代償が不足していることはありえない。
それを願ったとしても気に病むべきではない。彼が生きていることこそが、ありうべからざる不条理なのだ。
ショック:なし
エリオット:うむぅ……。
シャロン:GM、これ別に何もしなくても同じことが起きるよね。強いて言うなら苦しまないってくらいで。
GM:ふふふ……。あっ、シーンについてですが、ロンドンの酒場には個室仕切りのついているタイプのものもあって、密談には割と便利です。
アリス:じゃあ、酒場の個室でしましょう。さて、《民俗学》とどうつなげるか……。
エリオット:とある国の逸話に『猿の手』のことが書いてあるとか?
アリス:でも、『猿の手』って考古学だよね、どっちかっていうと。
GM:多分、「~~学」って統一したかっただけで、実体は「フォークロア」であるものかと。だから、《民俗学》でも大丈夫だと思いますよ。
アリス:じゃあ、それで。酒場の個室に2人を呼び出しておいて、後から来ましょう。
GM:未成年2人。肩身が狭いかもしれない。金持ってそうな身なりは危ないかもしれませんね。
エリオット:僕はともかく姉にそれを期待するんですか?
シャロン:ばりばりのお姫様風だと逆に引かれるかも。
アリス:あー、カフェのほうが良かった?
GM:この酒場は昼間はカフェです(適当なことを言いだした)
アリス:じゃ、昼間で! 「アリス・ミラーの紹介で」とか何とか言えば大丈夫ですよ。こいつ不気味だし、その知り合いとか近寄りたくないと思う。
エリオット:じゃあ、地味すぎず華美すぎずな適当な格好で。アリスさんの名前を出して案内してもらいます。
GM:裏の世界の情報屋をやっていそうな渋いマスターが席に案内してくれます。まあコーヒーか何か飲んでいるといいんじゃないですかね。ちなみに個室ってのは、木の仕切りの内側に2人がけのソファが向い合って置いてある形だと思ってください。古い列車の個室をイメージするとわかるかと。
シャロン:じゃあ大人しくコーヒー飲んでよう。
アリス:いつまでもそんなところに閉じ込めても置けないから、さっさと登場しましょう。
GM:ステッキを突く音が、待ち人の到来を告げる。
アリス:ステッキの音がノックの音に変わると、「失礼します」とドアが開けられる。「ご足労ありがとうございます。まずは、このような場所に呼び出し、お待たせした非礼をお詫びいたします。しかし、人に聞かれていいような話ではないので」
エリオット:「どうも」
シャロン:「遅いですわ! この個室のレイアウト案を考え付くくらいには遅いですわ!」
アリス:「申し訳ありません。実はこれを、探すのに手間取りまして」 そう言って懐から取り出して見せたのは、1冊の本。古ぼけた表紙からは--タイトルがかすれているが--民間伝承の本であることが読み取れる。
エリオット:「かなり古い本のようですが……なんですか?」
アリス:「様々な国の民間伝承などを集めた本ですよ。随分前に古本屋で買ったのものなのですが、この通りタイトルも消えかかっている代物で……」 椅子に座ると、ページを捲り始める。
シャロン:ページを捲る手を見つめています。
アリス:「中も相応に古びてましてね。どこに何が書かれているのかを探すのに手間取り、お時間をいただくということに……しかし、それに見合うものは……ほら、ここです」 細い指で2人に示したページには、『猿の手』にまつわる物語(元ネタの小説『猿の手』のことです)と、物語の結末について、先ほどの【秘密】と同様の内容が書かれています。
GM:同じ選択をするならば……。
シャロン:「……」
アリス:「これが、探偵の見つけた、冴えたやり方の1つ、というわけです」
エリオット:「…なるほど」
シャロン:「……まあ、有り得ない事が起きている以上、あるべき姿に戻すのは自然ですわね……」 ここでさっき手に入れたハリーの2枚目の【秘密】を共有します。
GM:では全体公開です。
ハロルド・ホールズ※2
【秘密】
過ぎた願いは破滅をもたらす。対価を支払えないのならば……。
このハンドアウトはプライズ『穢れた生命』として扱う。
《混沌》で恐怖判定すること。
ショック:ハロルドにプラスの「感情」を持っているキャラクター
『穢れた生命』(プライズ)
セッション終了時に、このプライズを所有していたキャラクターは「バッドエンド表」を振る。
このプライズを獲得したら、以降そのキャラクターの【本当の使命】は「セッション終了時にこのプライズを持っていないこと」に変更される。
このプライズは破棄・譲渡ができず、他のキャラクターが奪うこともできない。
シャロン:アリスは恐怖判定をどうぞ☆
アリス:どうぞ☆、じゃねぇよ! まぁ、《数学》から6だから(コロコロ)……12! スペシャル! やった! 勝った!
GM:な、なにィ!?
エリオット:なんという幸運探偵。
シャロン:これは凄い。
アリス:ふふふ、【正気度】を回復させようかな。
GM:そんなバカな……。
エリオット:探偵が再生していく。
GM:いきいきとしてきたなぁ。それでは、このまま何もしないとどうなるか考えてみましょう。ハリーは『猿の手』の【秘密】を知ったので……奪って、やりますよね。それしか生存ルートないんだし。
シャロン:無いけど、代償にできるのは私だけだぞ。生存しても破滅しか見えんぞ。
GM:いたしかたなし。“本当にやるのか……?”と疑ってしまうでしょうけど。とりあえず全員《憂い》で恐怖判定を。ハリーが凶行に及ぶとも信じがたいが、追い詰められればなにをしでかすか……。
エリオット:とりあえずで人に恐怖を投げつけるな! (コロコロ)……5で失敗。(狂気カード+1)
アリス:《物音》から10ー(コロコロ)……8。ま、失敗だよね。(狂気カード+1)
シャロン:《におい》から(コロコロ)……12でスペシャル。恐怖心だったけど関係ありませんでしたわ。【生命力】回復します(生命力+1)
アリス:しれっとスペシャル出したな……では、最後に「さて、どういたしましょうか」とニヤッと笑って、シーンエンドです。
3-3 エリオット 日常
GM:最後はエリオットのシーンです。先にクライマックスのことを説明しますとまず、『猿の手』を持っている人は任意で願いを発表します。それが気に入らない人は、『猿の手』の持ち主に対するクライマックス戦闘をしかけることができます。クライマックスの戦闘が終わったら、『猿の手』に願いをかけたりして、エピローグにゴー。
アリス:3つの願いが達成されたらどうなるの? 『猿の手』はただの木乃伊になるの?
GM:さっきの本によると、灰になって崩れたらしいです。それと、クライマックスに入ってから『猿の手』受け渡すのもOKです。
エリオット:『猿の手』に願いをかけることを宣言するタイミングはいつでもいい?
GM:はい、いつでも大丈夫です。ただし、このシーンでかけなかったらクライマックスフェイズになって、じゃあどうするか決めてね、になります。
エリオット:どうしようかなぁ。特にいい願いも思いつかんから回復判定しておくか。シーン表振ります(コロコロ)……“街の往来。人々は忙しなく行き交い、石畳の上を音立てて馬車が駆け抜けていく”。
GM:平和な世界の人々でも眺めながら回復するといいんじゃないでしょうか。
アリス:雑だな!?
エリオット:じゃあ、《医学》で判定します(コロコロ)……成功です。普段お世話になってる街の書店にでも寄りましょう。
GM:どこかかび臭い店だ。大量の本の匂い。
エリオット:そこで普段は目を通さない文献でも、とにかく医療系の本に目を通し、しばらくして、本を本棚に戻して一息つこう。
GM(店主):「気にいるものはございましたか?」 好々爺然とした店主が声をかける。
エリオット:「……死者を蘇らせた研究報告等についての学術書籍はおいてあります?」 つぶやく様に。
GM(店主):「そういう小説なら古今ございますがね、学術書となると……。死者蘇生は医学よりはおとぎ話の分野でしょう」
エリオット:「そうですか……いや、そうでしょうね。僕は何を言ってるんだか。ありがとう。また来ます」
GM:店主は首をかしげて見せる。エリオットは外に出ると、日の光のもとで、石畳の上を馬車が駆けて行く……正常な世界だ。
エリオット:「……たかだか動物の木乃伊の部品如きが、死者をどうこうするなんて、ナンセンスだ。……これ以上、僕を惨めな気持ちにしないでくれ……」 歯軋りとともに、家路に急ぎましょう。……シーンエンドです。